MSCI指数。
投資信託など投資商品のラインナップを見たことがある人ならば、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
今回はMSCI指数とその代表格である
・MSCI World Index
・MSCI Emerging Markets Index
・MSCI ACWI
についてまとめてみました。
- ✔ MSCI指数:米国MSCI社が算出・公表する指数の総称
- ✔ MSCI World Index:先進国の大型株、中型株から構成されるインデックス
- ✔ MSCI Emerging Markets Index:新興国の大型株、中型株から構成されるインデックス
- ✔ MSCI ACWI:先進国+新興国の大型株、中型株から構成されるインデックス
- ✔ 現状、MSCI ACWIの値動き≒MSCI World Indexの値動き
- ✔ 年に一度、市場の構成国の見直しが行われる
MSCI指数
アメリカのMSCI社が算出・公表する指数の総称を指します。
MSCIは、モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルの略です。
先進国、新興国、フロンティア市場の合計約70ヶ国・地域の株式市場をカバーしています。
MSCIの指数は全て、原則、浮動株調整時価総額加重平均のため、時価総額の大きな銘柄、国のウェイトが大きくなります。
MSCI World Index
先進国23ヶ国、1,636銘柄から構成される指数です(2019年4月現在)。
構成国は以下の表の通りで、各国の時価総額のそれぞれ約85%をカバーしています。

過去のパフォーマンスは以下の通り。
インターネット・バブルやリーマン・ショックの影響からか、20年の年率平均は4.9%と低めですが、それ以外は年率5%以上と高いパフォーマンスを発揮しています。

以下はTOPIX(東証株価指数)と比較したグラフですが、過去20年ではTOPIXの倍以上のリターンを得られていることがわかります。

なお、投資信託の指標としてもメジャーなMSCI KukusaiはこのMSCI World Indexから日本を除いた先進国22ケ国が対象になっています。
MSCI Emerging Markets Index
新興国24ヶ国、1,138銘柄から構成される指数(2019年4月現在)です。
構成国は以下の表の通りで、 こちらもWorld Index同様、構成各国の時価総額のそれぞれ約85%をカバーしています。

過去のパフォーマンスは以下の通り。
MSCI World Indexより、リスクが大きいもののそれと同時に、より高いリターンを得られていることがわかります。

過去20年のリターンはTOPIX (東証株価指数) の実に3倍以上。
その差は歴然ですね。

MSCI ACWI
先進国23ヶ国、新興国24ヶ国の大型株、中型株2,774銘柄から算出される指数(2019年4月現在)です。
ACWI は、All Country World Indexの略ですが、フロンティア市場は対象外ですので、間違えないようにしましょう。
構成銘柄はMSCI World IndexとMSCI Emerging Markets Indexを合わせたものになりますが、加重平均方式のため、時価総額の大きい先進国株のウェイトが大きくなります。
現在では、World Indexの銘柄が時価総額でACWIの約88%を占めており、ACWIの値動き≒World Indexの値動きとなっています。
以下のグラフのグレーの部分以外が先進国になります。
アメリカが過半数を占めている他、国単独だと2位は日本で7.5%以上を占めています。

以下、過去のパフォーマンス実績とグラフ(vs TOPIX)ですが、上のWorld Indexと非常によく似た動きをしているのがわかりますね。


市場の構成国の見直し
MSCIでは年に一度 、各市場を構成する国の見直しが実施されます。
すなわち、Frontierだった国がEmerging Marketsになったり、 Emerging Markets だった国がWorld Indexの国になることがある、というわけです。
最近では、2017年5月にパキスタンが FrontierからEmerging Markets に昇格になりました。
今年2019年6月には、サウジアラビアが Emerging Markets に組み入れられ、アルゼンチンが FrontierからEmerging Markets に昇格になります。
MSCIの各指標がどの国から構成されているか、時々チェックしておくとよいでしょう。
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